ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト

 世界の危機なんてそこらじゅうに転がってるものだ、だったはず。たしか夜明けのブギーポップではなかったかな。シリーズやシリーズ外も含めて、いつくかの事件が同時進行していることもあるが、そろそろ時間軸的になにがいつ起きているのか把握しきれない。
 年に関する具体的な描写(宮下藤花が何年)は今回なかったかもしれない。それとは対照的に宮下藤花が中学時代の話がよく出てくる。これは結構珍しい。シリーズを通して読んでいるが、いまさらながら宮下藤花がどんな性格だったのかいまいち思い出せない。普通の女子という感じだった気がするが、今回読むとあまりそんな気はしない、かな。そう考えると本当に珍しく宮下藤花の性格、立ち位置が書かれていたのではないかと。
 男3人、女3人で物語が展開していくため、最初パンドラを思い出していたが、読み込んでいくと歪曲王にむしろ近い。派手なバトルはあまりない。話の構造的には中学時代の話も出てくるためか、ハートレスレッドも思い出す。なんというか初期のころのブギーポップに近いのだ。
 ブギーポップは自動的、突破する人が現れ、世界の敵が敵でなくなった時、どうするのだろう。

うん。まあ突破する人がいつ現れるのだろうという気はしてます。はい。いつか読者が、というか自分が中高生のときのことを思い出せなくなる時期が来るのでは、と。