蛇行する川のほとり

蛇行する川のほとり

蛇行する川のほとり

 著者が恩田陸さんで、表紙絵と挿絵が酒井駒子さん。それだけでもう満足というか好みすぎる。
 この本を読んだのは夏の話だから。正確には以前読んだので読み返し。好きな本は何度か読み返している。すべての内容を覚えていられるほど頭に隙間がないようだ。だからこそ幸福な時間を何度でも味わえる。かな。もっとゆっくり読めばいいのかもしれないけど。

 四人の少女の視点から語られる話は、ジリジリと暑い夏を感じさせる。対照的に話の影を暗く照らす。皆が知っていることを隠しながら、さらけ出しながら。
 自分がこういう話を好きだというのは、出てくる登場人物が頭のよい人たちばかりで、こういう青春をすごしたかったという憧れがあるのだろうなと思う。

今年の夏に読めてよかった。夏の読書は満足できたのだ。